Cloudflare Zero Trustのルート証明書をMDM(Jamf , Intune)で配布する

Cloudflare Zero Trustのルート証明書をMDM(Jamf , Intune)で配布する

Cloudflare Zero Trustのルート証明書をMDM(Jamf , Intune)で配布する
Clock Icon2025.01.06

Cloudflare Zero Trustの利用にあたり、エージェントソフトのCloucflare WARPを管理対象PCにインストールすることにより、PCの通信が保護されます。

また、URLのコンテンツフィルタリング等を行う場合、PC側にはCloucflare WARPのインストールのみでなく、ルート証明書のインストールが必要です。ルート証明書のPCへの配布を、MDM(Jamf と Intune)で行いましたので、記載します。

MDMで配布した理由

ルート証明書の配布は、大きく別けて以下二つの方法があります。
1. WARPがインストールされているPCへ、自動インストールする方法
2. 手動でインストールする方法(手作業でのインストール以外に、MDM等の利用も含む)

1.の方法は、WARPがインストールされていれば自動配布されるので効率的ですが、一つ考慮点があります。
1.のマニュアルに以下の記載があり、MacOS Ventura以降の場合は、手動で証明書を信頼する操作が必要とのことです。
macOS Ventura and newer do not allow WARP to automatically trust the certificate. To manually trust the certificate

証明書の配布は全て自動で行いたかったため、今回はMDM(MacはJamf、WindowsはIntune)を利用して行うこととしました。
MDMでの配布手順は上記2.の中の「Mobile device management (MDM) software」に記載されている内容をベースに進めました。

ルート証明書のダウンロード (Jamf , Intune共通)

まず最初は、Cloudflare Zero Trustの管理コンソールからルート証明書をダウンロードします。

管理コンソールの「Settings」->「Resources」->「Cloudflare certificates」->「Manage」と選択します。
Deployment Status が Activeの証明書を選択して、「Download .pem」を行い、PEM形式の証明書ファイルをダウンロードします。
01_CA_Download
ダウンロードした証明書ファイルは、マニュアルのこちらに記載のコマンドで、DER形式に変換します。
今回はMac端末でダウンロードしたため、Macで下記のコマンドで変換しました。

openssl x509 -inform PEM -in ~/Downloads/certificate.pem -outform DER -out ~/Downloads/certificate.cer

変換後のファイル(上記例だとcertificate.cer)は、Mac(Jamfから配布)とWindows(Intuneから配布)両方で利用します。

Jamf で Mac へのルート証明書配布

Jamfでは、構成プロファイルを使用することにより、証明書の配布を行います。

Jamfの管理画面より「コンピュータ」->「構成プロファイル」->「新規」と選択します。
最初に「一般」の項目が表示されるので、設定します。名称等は任意ですが、配布方法は「自動インストール」を選択します。(PC利用者側で何も操作させずにインストールさせたいためです)
02_jamf_general

次に、「オプション」タブから、「証明書」->「証明書を構成」->「構成」と選択し、以下のように設定します。

  • 証明書の名称:任意の名称
  • 証明書のオプション選択:アップロード
  • 証明書のアップロード:上記でDER形式に変換した証明書ファイルをアップロード
  • すべてのAppにアクセスを許可:有効
  • キーチェーンからのエクスポートを許可:無効
    03_jamf_CA_02

最後に、Scopeタブで、配布対象のPCやユーザを設定します。(もし、全てのPCに配布する場合は、ターゲットコンピュータに「すべのコンピュータ」を設定します)
04_jamf_scope

画面右下の保存をクリックすると設定が保存されて、PCへの証明書配布が開始されます。

PCへの配布状況は、構成プロファイルのトップ画面から確認できます。「ログ」列の「表示」より、どの端末が配布完了していて、どの端末が未完了なのかも確認できます。
05_jamf_profile_top

尚、それぞれのMac PC上では、キーチェーンアクセスを起動し、システム->証明書の中に該当の証明書が存在することが確認できます。
06_KeyChain

Intune で Windows へのルート証明書配布

Intuneでは、デバイスの構成ポリシーより、証明書の配布を行います。
Intune管理画面から「デバイス」->「構成」->「ポリシー」->「作成」->「新しいポリシー」と選択します。

「プロファイルの作成」が表示されます。以下のように設定して「作成」をクリックします。

  • プラットフォーム:Windows10以降
  • プロファイルの種類:テンプレート
  • テンプレート名:信頼された証明書
    08_intune_make_profile
    次に、任意の名称と説明を入力して「次へ」をクリックします。
    09_intune_set_name
    Jamfへアップロードしたものと同じDER形式の証明書ファイルを選択します。
    保存ストアは「コンピューター証明書ストア- ルート」として「次へ」をクリックします。
    10_intune_set_cAfile
    配布を行う対象のグループ(EntraIDのグループ)を追加して「次へ」をクリックします。
    11_intune_set_group
    今回は適用性ルールは何も設定せず、「次へ」をクリックします。
    12_intune_tekiyousei
    最後に、設定値の確認画面が表示されます。設定値に問題ないことを確認して「作成」をクリックします。
    13_intune_kakuningamen
    ポリシーが作成されます。
    作成されたポリシーをクリックすると、PCへの配布状況が確認できます。「レポートの表示」をクリックすると、PC毎の配布状況も確認できます。
    14_intune_status_kakunin

尚、それぞれのWindows PC上では、検索ボックスから「certlm.msc」を実行し、「信頼されたルート証明機関」->「証明書」と選択すること該当の証明書が存在することが確認できます。
15_winPC_certlm

おわりに

Cloudflare Zero Trustでコンテンツフィルタリング等を行うために、PCへルート証明書をMDM(Jamf,Intune)で配布する手順を記載しました。この記事が皆様のお役に立てば幸いです。

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